昨年7月に発足した文部科学省の有識者会議であるGlobal×Innovation人材育成フォーラムによって、「Global×Innovation人材育成フォーラム 最終まとめ~未来を創造し担う若者たちが世界に羽ばたける留学環境とチャンスを~」が6月30日に公表されました。
これまでの経緯と最終まとめのポイント
発足当初は、日本人留学生の海外派遣をテーマに議論が行われ、2024年10月1日に中間まとめが公表され、11月には俳優の山崎育三郎さんを招き『世界を舞台に!留学全力応援イベント』が開催されています。
2025年1月以降3回の議論では、優秀な外国人留学生の呼び込み・定着促進及び留学モビリティ拡大・大学の国際化等を支える環境・体制整備を軸に議論が行われ、中間まとめをリバイスする形で最終まとめとされています。
注目する5つの特筆すべき内容
これまでの議論ではあまり言及されてこなかった特筆すべき内容としては、下記の5点ではないかと私は思っており、気づいたこと含めてメモしておきます。
- 「「トビタテ!留学JAPAN」をはじめとする民間企業・団体等からの支援は、引き続き継続・拡充されることが望ましい」とされたこと(本文4ページ)
- 「トビタテ!留学JAPAN」第2ステージ(2023年度~2027年度)のその後が楽しみです。
- 「多様な国・地域から優秀な外国人留学生を受け入れることが重要」としつつも、「特定の国・地域からの比率が高く多様性確保という観点からは課題がある」ことに言及したこと(本文5ページ)
- 最近国会やマスコミでも話題になっています。
- 「地方大学等における優秀な外国人留学生の受入れ及び地域への定着促進は益々重要」と地方創生の観点に触れられていること(本文5ページ)
- 地方創生は現在のトレンドです。
- 「留学固有の特別な支援の提供に適正な対価を求めることは大学経営上必要なことであり、大学等は、外国人留学生の授業料の増額や手数料の徴収等により、持続的・安定的な学内国際体制の自律的構築に努めるべき」と大学に対して課題が示されたこと(本文7ページ)
- 現場では、色々思うところがあるのではないでしょうか。
- 「大学等が自ら、迅速な意思決定のためのプロセスの見直しと決定事項を具現化させるためのガバナンスの在り方について検討を行い、国際化を進めることに学長が強いリーダーシップを発揮することが必要」とされたこと(本文8ページ)
- ガバナンスの在り方は、今後国際化についても検討は必須です。
「骨太方針2025」との関連
ちなみに今年の骨太方針※には、「研究者・学生交流など戦略的な国際連携を推進する。」(23ページ)ことや、「日本人海外留学者年間50万人・外国人留学生受入れ年間 40 万人目標の実現に向け、官民一体での支援策の戦略的活用に取り組む」(46ページ)こと、「目標の実現に当たっては、外国人留学生の出身国・地域の多様性に留意する」(46ページ脚注)の記載がありました。
今後、大学には様々な取り組みが進められることになりそうです。
今後の大学に求められるグローバル化への取組
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